法学教室 2023年11月号(No.518) ◆特集 民事訴訟法学の近時の展開
有斐閣
2023年10月27日 発売
定価 1,650円(本体 1,500円)
木々が赤々と色づく11月。あっという間に季節が変わり、冬の足音も少しずつ、でもたしかに聞こえてくるようになりました。
今月号の特集は「民事訴訟法学の近時の展開」。5月号から始めた基本七法の特集も、6番目の民事訴訟法にバトンがまわりました。令和4年改正による民事訴訟手続のIT化といった新しい問題から、物権的請求権をめぐる訴訟の判決の既判力が口頭弁論終結後の承継人に承継されるのかという問題など、古くから議論がなされながらもなお学説の対立が続いている論点なども扱います。いずれも高度な内容を含みますが、各論稿の叙述は平明さが保たれており、学生のみなさまにも取り組んでいただけるはずです。ぜひチャレンジしてみてください。
「判例クローズアップ」では最高裁令和5年2月21日第三小法廷判決(金沢市庁舎前広場事件)を解説していただきました。宇賀克也裁判官の詳細な反対意見が付されたこの判決をどのように定位すべきか。伝統的なパブリック・フォーラム論をふまえ、表現・集会の自由をめぐる憲法および公物法の展開と最高裁の判断過程を辿ります。
◆特集 民事訴訟法学の近時の展開
Ⅰ 民事訴訟のIT化と民事訴訟法学…青木 哲……10
Ⅱ 任意的訴訟担当と授権…上田竹志……16
Ⅲ 弁論の分離可能性――相殺の抗弁との関係…二羽和彦……23
Ⅳ 口頭弁論終結後の承継人への既判力の拡張――物権的請求権…下村眞美……29
Ⅴ 独立当事者参加訴訟における二当事者間の和解の可能性…鶴田 滋……37
コメント
「Ⅳ 口頭弁論終結後の承継人への既判力の拡張――物権的請求権…下村眞美……29」は、旧訴訟物理論に基づく要件事実が、大変参考になりました。