職務質問及び交通の危険防止のため自動車の窓から手を差し入れエンジンキーを回転してスイツチを切り運転を制止した警察官の行為が適法とされた事例
最高裁判所第1小法廷決定/昭和52年(あ)第1846号
昭和53年9月22日
『昭和54年重要判例解説』刑法事件
【判示事項】 職務質問及び交通の危険防止のため自動車の窓から手を差し入れエンジンキーを回転してスイツチを切り運転を制止した警察官の行為が適法とされた事例
【判決要旨】 交通違反取締中の警察官が、信号無視の自動車を現認しこれを停車させた際、下車した運転者が酒臭をさせており、酒気帯び運転の疑いが生じたため、酒気の検知をする旨告げたところ、同人が、警察官が提示を受けて持っていた運転免許証を奪い取り、自動車に乗り込んで発進させようとしたなど判示の事実関係のもとでは、警察官が自動車の窓から手を差し入れエンジンキーを回転してスイツチを切り運転を制止した行為は、警察官職務執行法2条1項及び道路交通法67条3項の規定に基づく職務の執行として適法である。
【参照条文】 刑法95-1
警察官職務執行法2-1
道路交通法67-3
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集32巻6号1774頁
最高裁判所裁判集刑事213号163頁
裁判所時報749号1頁