第7章 電気通信事業とは
電気通信事業とは、電気通信事業法で「電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業」とされています。
電気通信事業とは、電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業をいいます(法2条4号)。
電気通信役務とは、電気通信設備 1 を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいいます(法2条3号)。
電気通信事業法の適用の有無および範囲を判断するには、順に、①「電気通信事業」への該当性、②営利性の有無、③適用除外規定(法164条1項)の適用の有無、④電気通信回線設備 2 の規模を検討する必要があります(下図参照)。
「電気通信事業」の該当性が肯定された場合、その内容や規模によって、以下の3種類に分かれます。
(i) 登録(法9条)が必要な電気通信事業
(ii) 届出(法16条)が必要な電気通信事業
(iii) 登録および届出が不要な電気通信事業
そして、登録または届出を行った事業者が「電気通信事業者」(法2条5号)として扱われることになります。
たとえば、MNO 3 やFNO 4 については、通常、登録が必要な電気通信事業に該当しますが、MVNO 5 やFVNO 6 は、自ら電気通信回線設備を保有しないため、届出が必要な電気通信事業になります。
近時は、利用者間でクローズドなチャットやメッセージを送りあえる機能を実装したアプリやオンラインサービスを目にすることが多いですが、このようなサービスも届出が必要な電気通信事業に該当します。
他方で、クラウドやIoTをはじめとする各種のオンラインサービスについては、登録または届出が不要な電気通信事業に該当することが多いと思われますが、サービスの内容次第では、別の類型に当たる可能性もあり、ケースバイケースの検討が必要になります。