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2024年01月06日
競願者のうち甲に免許が付与され乙にこれが拒否された場合と取消訴訟の提起

競願者のうち甲に免許が付与され乙にこれが拒否された場合と取消訴訟の提起

テーマ:行政法
最高裁判所第3小法廷判決昭和43年12月24日

テレビジョンの開設に関する予備免許処分・同免許申請棄却処分並びにこれが異議申立棄却決定取消請求事件

東京12チャンネル事件

【判示事項】 1、競願者のうち甲に免許が付与され乙にこれが拒否された場合と取消訴訟の提起

2、競願者のうち甲に免許が付与され当該免許期間が満了して再免許が付与された場合と乙の提起した右免許処分取消訴訟の利益

3、電波法第94条第2項の法意

4、電波法第94条による郵政大臣の決定に認定事実の記載を欠く場合に裁判所はあらたな証拠調によって事実を確定しうるか

【判決要旨】 1、競願者のうち甲に免許が付与され、乙にこれが拒否された場合は、乙は甲に対する免許処分の取消しを求めることができるほか、自己に対する拒否処分のみの取消しを求めることができる。

2、乙が、甲に対する免許処分または自己に対する拒否処分の取消しを訴求する場合において、甲に付与された免許の期間が満了しても、甲が再免許を受けているときは、乙の取消訴訟の利益は失われない。

3、電波法94条に基づく郵政大臣の決定書に記載すべき「電波監理審議会が認定した事実」とは、免許にかかる放送事業の実施の確実性および放送の公正かつ能率的普及への適合の度合いについて、競願者甲、乙の優劣を比較考量するに足る具体的事実をいうものと解すべきである。

4、郵政大臣の決定書に右認定事実の記載がない場合に、裁判所があらたな証拠調によって自由に事実を確定し、これに基づいて右決定書に表示された電波監理審議会の判断の適否を審査することは許されない。

【参照条文】 行政事件訴訟法9

       電波法94

       電波法99

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集22巻13号3254頁

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