第16章 指定された電気通信事業者が負う義務の内容
特定利用者情報の取り扱いに関する義務を負うのは、電気通信事業者のうち、
「特定利用者情報を適正に取り扱うべき電気通信事業者」として、総務大臣に指定された事業者
です。
指定する基準は、利用者の利益に及ぼす影響が大きい者を中心に、総務省令にて定められています(電気通信事業法27条の5)。
特定利用者情報の取り扱いに関する義務の具体的な内容は、以下の5つです。
1|情報取扱規程の整備・届け出をする義務(同法27条の6)
指定を受けた日から3カ月以内に、所定の事項を定めた情報取扱規程を制定し、総務大臣に届け出る必要があります。
情報取扱規程の内容が不適切な場合は、総務大臣から変更命令を受ける場合もあります(同法27条の7)。
2|情報取扱方針を策定・公表する義務(同法27条の8)
特定利用者情報の取り扱いの透明性を確保するため、指定を受けた日から3カ月以内に、所定の事項を定めた情報取扱方針を制定・公表する必要があります。
3|特定利用者情報の取り扱いに関する自己評価を実施する義務(同法27条の9)
毎事業年度、特定利用者情報の取り扱いの状況について評価を実施し、必要に応じて情報取扱規程・情報取扱方針の見直しを行う必要があります。
4|特定利用者情報統括管理者を選任し、届け出る義務(同法27条の10)
特定利用者情報の取扱業務を統括管理させるため、指定を受けた日から3カ月以内に、特定利用者情報統括管理者を選任する必要があります。
事業者は、利用者の利益の保護に関して、特定利用者情報統括管理者の意見を尊重しなければなりません(同法27条の11第2項)。
5|特定利用者情報が漏えいしたときに報告する義務(同法28条1項2号ロ)
万が一特定利用者情報が漏えいした場合には、
漏えいの事実
漏えいの理由と原因
を、遅滞なく総務大臣に報告しなければなりません。