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2024年01月16日
令和3年5月公布・商標法・意匠法改正その3 第3章 商標権侵害・意匠権侵害とは

第3章 商標権侵害・意匠権侵害とは

商標権侵害

商標権は、特許庁に商標登録を出願し、審査の結果、登録が認められると発生する権利です(商標法18条1項)。

商標権者は、指定商品等について登録「商標」を独占的に「使用」することができ(商標法25条)、第三者が商標権者に無断で指定商品等に登録「商標」又は類似の商標を「使用」することは、商標権侵害となります。

 

「商標」の定義は、商標法2条1項各号に規定されており、「業として」商品を生産等する者がその商品について使用する標章をいうため(商標法2条1項各号)、商標権侵害となるのは、第三者が、「業として」登録商標等を「使用」(商標法2条3項各号)した場合です。

 

意匠権侵害

意匠権は、特許庁に意匠登録を出願し、審査の結果、登録が認められると発生する権利です(意匠法20条1項)。

意匠権者は、「業として」登録意匠及びこれに類似する意匠を独占的に実施することができます(意匠法23条)。

そのため、第三者が意匠権者に無断で登録意匠を「業として」実施した場合、意匠権侵害となります。ここでいう「実施」は、意匠法2条2項各号に定義される行為をいいます。

 

個人による模倣品輸入は「業として」した行為に当たらない?

海外事業者が模倣品を日本国内に持ち込む行為が商標権又は意匠権侵害に当たれば、差止請求などの民事的措置や税関における輸入差止めが可能となります。商標権や意匠権の侵害が認められるのは、上記のとおり、「業として」登録商標が使用された場合や、登録意匠が「業として」実施された場合などです。

 

したがって、海外事業者からの模倣品の流入が「業として」行われたものでなければ、商標権侵害にも意匠権侵害にも問うことができません。

そして、「業として」という概念は、反復継続して行うことを想定しているため、海外事業者からの模倣品流入でも、個人宛の輸入であれば、「業として」した輸入に当たらないと考えられてきました。

そのため、海外事業者から個人が模倣品を輸入する場合、商標権侵害や意匠権侵害に当たることの立証は困難であり、この点を奇貨としてか、本来は「業として」の輸入であるにもかかわらず、個人使用目的での輸入と仮装して模倣品が流入することさえありました。

 

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