国立大学の教授であった被告人が,①大学と建設会社等との共同研究の職務に関し,4社の従業員から便宜を図った謝礼として現金の送付を受けたという収賄,②支払う必要のない共同研究の経費を大学に支出させて財産上の損害を加えたという背任の各罪に問われた事案。
大阪地方裁判所判決/平成28年(わ)第5033号、平成28年(わ)第5426号、平成29年(わ)第156号、平成29年(わ)第318号
平成29年7月11日
収賄,背任被告事件
【判示事項】 国立大学の教授であった被告人が,①大学と建設会社等との共同研究の職務に関し,4社の従業員から便宜を図った謝礼として現金の送付を受けたという収賄,②支払う必要のない共同研究の経費を大学に支出させて財産上の損害を加えたという背任の各罪に問われた事案。
裁判所は,被告人は,収賄罪では,多額の賄賂を収受し,国立大学教授の職務の公正さに対する社会的信頼を大きく損ね,背任罪では,大学に財産上の損害を与えながら,送金された現金を自己の用途に費消しており,本件犯情は総じて悪く,強い非難を免れないが,背任の被害弁償はなされ,懲戒解雇されて社会的制裁を受けていることなどをふまえ,懲役3年・執行猶予5年・追徴金1288万円余に処した事例
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載