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2024年01月24日
平成30年民法(相続法)改正その4 第5 配偶者に対する自宅など居住不動産の贈与をした場合の特例

第5 配偶者に対する自宅など居住不動産の贈与をした場合の特例(改正法903条)

1,改正前

特別受益とは、相続があった際に、生前に贈与した財産を相続財産に持ち戻して総財産と法定相続分を計算する制度です。

 

改正前は、妻Bが夫から生前贈与を受けた自宅持分が相続財産に持ち戻されます。

 

配偶者が居住建物を取得する場合には,他の財産を受け取れなくなってしまう。

配偶者は自宅での居住を継続しながらその他の財産も取得できるようになる。

 

贈与等を行ったとしても,原則として遺産の先渡しを受けたものとして取り扱うため,

配偶者が最終的に取得する財産額は,結果的に贈与等がなかった場合と同じになる。

➡ 被相続人が贈与等を行った趣旨が遺産分割の結果に反映されない。

このような規定(被相続人の意思の推定規定)を設けることにより,原則として遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要がなくなり,配偶者は,より多くの財産を取得することができる。

➡ 贈与等の趣旨に沿った遺産の分割が可能となる。

 

この遺された配偶者を保護するために、配偶者に対する居住用不動産について特例が設けられました。

 

2,改正によるメリット

婚姻期間20年以上の夫婦が、配偶者に居住の用に供する建物または敷地を遺贈または贈与(死因贈与を含む)したときは、特別受益の持戻し免除の意思が推定されます。

つまり、要件を満たした生前贈与は相続財産に持ち戻す必要がなくなるのです。

原則として,遺産分割における配偶者の取り分が増えることになります。

 

3,配偶者に対する居住不動産の贈与等についての持ち戻し免除推定規定の施行時期

今回の相続法の改正は、改正前に行われた生前贈与等については適用されないため、2019年7月1日改正後に相続が開始された場合でも、改正前にされた生前贈与については適用がありません。生前贈与は本人の意思を尊重する制度です。そのため、贈与は2019年7月1日以降に行われたもののみが対象となるのです。

 

そのため、法改正があったとしても、改正以前に行われた生前贈与については、適用がないので、注意が必要です。これは先ほど挙げたルールでいうと、本人の意思の尊重ということを重視するルールです。

 

(夫婦間における居住用不動産の遺贈または贈与に関する経過措置)

附則第4条

新民法第903条第4項の規定は、施行日前にされた遺贈または贈与については、適用しない。

 

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