請求が人身保護規則4条にいわゆる顕著である場合に当らないとされた一事例
人身保護請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/昭和30年(オ)第557号
【判決日付】 昭和31年7月20日
【判示事項】 請求が人身保護規則4条にいわゆる顕著である場合に当らないとされた一事例
【判決要旨】 被拘束者が不法入国による退去強制処分の確定した朝鮮人を母としその不法入国後本邦において出生した幼児であること、退去強制令書に退去を受くべき者の表示として被拘束者が右母と共に記載されていることその他原審判示の事実関係のもとにおいては、未だ人身保護規則第4条の「拘束が権限なしにされていることが顕著である場合」に当らないと認めるのが相当である。
(少数意見がある。)
出入国管理令51
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集10巻8号1096頁
人身保護法
第二条 法律上正当な手続によらないで、身体の自由を拘束されている者は、この法律の定めるところにより、その救済を請求することができる。
② 何人も被拘束者のために、前項の請求をすることができる。
人身保護規則
(請求の要件)
第四条 法第二条の請求は、拘束又は拘束に関する裁判若しくは処分がその権限なしにされ又は法令の定める方式若しくは手続に著しく違反していることが顕著である場合に限り、これをすることができる。但し、他に救済の目的を達するのに適当な方法があるときは、その方法によつて相当の期間内に救済の目的が達せられないことが明白でなければ、これをすることができない。
出入国管理及び難民認定法
(退去強制令書の方式)
第五十一条 第四十七条第五項、第四十八条第九項若しくは第四十九条第六項の規定により、又は第六十三条第一項の規定に基づく退去強制の手続において発付される退去強制令書には、退去強制を受ける者の氏名、年齢及び国籍、退去強制の理由、送還先、発付年月日その他法務省令で定める事項を記載し、かつ、主任審査官がこれに記名押印しなければならない。