弁護士の顧問料収入につき給与所得に当たらないとされた事例
所得税更正決定処分取消請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/昭和53年(行ツ)第90号
【判決日付】 昭和56年4月24日
【判示事項】 1、弁護士の顧問料収入につき給与所得に当たらないとされた事例
2、弁護士の日当につき必要経費算入を認めなかつた事例
【判決要旨】 〈省略〉
所得税法28-1
所得税法27-2
【掲載誌】 判例タイムズ442号85頁
判例時報1001号34頁
税務訴訟資料117号316頁
【評釈論文】 税務事例13巻8号25頁
弁護士の顧問料収入が、その具体的事実関係の下では所得税法上の給与所得に当たらない。。
弁護士の日当・旅費・宿泊費の必要経費算入は、税務上関心を持たれているものの一つであるが、本件において課税庁は、旅費と宿泊費については、実際に支出されたものと推認して必要経費算入を認めたのであるが、日当については、弁護士報酬とは別に受領する1日当たりの手当すなわち報酬であり、本件では、日当に対応する必要経費の記帳もないという理由で、必要経費に算入すべき分を認定しなかつた。
所得税法
(事業所得)
第二十七条 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
2 事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。
(給与所得)
第二十八条 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
2 給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。
3 前項に規定する給与所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一 前項に規定する収入金額が百八十万円以下である場合 当該収入金額の百分の四十に相当する金額から十万円を控除した残額(当該残額が五十五万円に満たない場合には、五十五万円)
二 前項に規定する収入金額が百八十万円を超え三百六十万円以下である場合 六十二万円と当該収入金額から百八十万円を控除した金額の百分の三十に相当する金額との合計額
三 前項に規定する収入金額が三百六十万円を超え六百六十万円以下である場合 百十六万円と当該収入金額から三百六十万円を控除した金額の百分の二十に相当する金額との合計額
四 前項に規定する収入金額が六百六十万円を超え八百五十万円以下である場合 百七十六万円と当該収入金額から六百六十万円を控除した金額の百分の十に相当する金額との合計額
五 前項に規定する収入金額が八百五十万円を超える場合 百九十五万円
4 その年中の給与等の収入金額が六百六十万円未満である場合には、当該給与等に係る給与所得の金額は、前二項の規定にかかわらず、当該収入金額を別表第五の給与等の金額として、同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額とする。