不作為による幇助犯の成立を認める前提となる犯罪を防止すべき義務を認めることができないとして、強盗致傷罪の犯行を阻止しなかった不作為による幇助犯の成立を認めた原判決を破棄した事例
各強盗致傷被告事件
【事件番号】 東京高等裁判所判決/平成10年(う)第681号
【判決日付】 平成11年1月29日
【判示事項】 不作為による幇助犯の成立を認める前提となる犯罪を防止すべき義務を認めることができないとして、強盗致傷罪の犯行を阻止しなかった不作為による幇助犯の成立を認めた原判決を破棄した事例
【参照条文】 刑法60
刑法62
刑法240
刑事訴訟法336
【掲載誌】 判例時報1683号153頁
【評釈論文】 警察時報56巻4号61頁
研修618号25頁
現代刑事法2巻11号80頁
ジュリスト臨時増刊1179号152頁
法学セミナー45巻4号108頁
刑法
(共同正犯)
第六十条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
(幇ほう助)
第六十二条 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
(強盗致死傷)
第二百四十条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
刑事訴訟法
第三百三十六条 被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。