訟務検事が裁判官に任命されて国が当事者である訴訟事件を担当しても、裁判の公正を妨げるべき事情があると認めることができないとされた事件
裁判官忌避申立事件
【事件番号】 名古屋高等裁判所決定/昭和63年(ウ)第163号
【判決日付】 昭和63年7月5日
【判示事項】 訟務検事が裁判官に任命されて国が当事者である訴訟事件を担当しても、裁判の公正を妨げるべき事情があると認めることができないとされた事件
【掲載誌】 判例タイムズ669号270頁
民事訴訟法
平成八年法律第百九号
(裁判官の除斥)
第二十三条 裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第六号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。
一 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。
二 裁判官が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。
三 裁判官が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
四 裁判官が事件について証人又は鑑定人となったとき。
五 裁判官が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき、又はあったとき。
六 裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。
2 前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。
(裁判官の忌避)
第二十四条 裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。
2 当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
(除斥又は忌避の裁判)
第二十五条 合議体の構成員である裁判官及び地方裁判所の一人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、決定で、裁判をする。
2 地方裁判所における前項の裁判は、合議体でする。
3 裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。
4 除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。
5 除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては、即時抗告をすることができる。