うどんすき事件・うどんすきは普通名称化した
審決取消請求事件
【事件番号】 東京高等裁判所判決/平成9年(行ケ)第62号
【判決日付】 平成9年11月27日
【判示事項】 「杵屋うどんすき」なる文字を横書きしてなる登録商標と「□□□」「□□□」「□□□」なる既存の登録商標とが、類似しないとされた事例
【判決要旨】 「杵屋うどんすき」なる文字を横書きしてなる登録商標と「□□□」「□□□」「□□□」なる既存の登録商標との類否につき、特定の商品に付された造語であっても、その語が長年使用されることにより取引者、需要者に商品の一般名称として認識されるに至った場合は普通名称化したものと認められるとした上、「うどんすき」なる語は、個人の創作料理の名称として考案された造語であるが、「杵屋うどんすき」なる前記登録商標の登録査定当時には、一般の需要者はもとより、専門的な加工販売業者等取引者の間でも「うどんを主材料とし魚介類、鶏肉、野菜類等の各種の具を合わせて食べる鍋料理」を意味する語として広く認識されていたから、普通名称化しており、その指定商品との関係では自他商品の識別機能を有しないとして、前記登録商標と「□□□」「□□□」「□□□」なる前記既存の登録商標とは外観、称呼、観念において類似しないとした事例
【掲載誌】 知的財産権関係民事・行政裁判例集29巻4号1290頁
判例時報1638号146頁
商標法
(商標登録の要件)
第三条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
一 その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
二 その商品又は役務について慣用されている商標
三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。第二十六条第一項第二号及び第三号において同じ。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
四 ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
五 極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標
六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標
2 前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。