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2024年02月27日
道路法、河川法、海岸法

道路法、河川法、海岸法

『重要判例とともに読み解く 個別行政法』

○国土整備法

「道路法、河川法、海岸法」

公共用物である道路と河川を対比しつつ、管理者(国家賠償法3条)、使用許可、安全性(国家賠償法2条1項)について、人工公物としての道路、自然公物である河川を論じている。

なお、海岸法に関する最高裁判例も引用されている。

占有許可と裁量

最高裁平成19・12・7

 1 海岸法37条の4の規定に基づく一般公共海岸区域の占用の許可の申請があった場合において,当該占用が当該一般公共海岸区域の用途又は目的を妨げないときであっても,海岸管理者は,同法の目的等を勘案した裁量判断として占用の許可をしないことが相当であれば,占用の許可をしないことができる。
2 採石業等を目的とする会社が,岩石の採取計画の認可を受けた採石場に近接する一般公共海岸区域に岩石搬出用の桟橋を設けるため,海岸法37条の4の規定に基づいて,上記一般公共海岸区域の管理者である県知事に対し,その占用の許可の申請をした場合において,上記会社が上記桟橋を設けて上記一般公共海岸区域を占用してもその用途又は目的を妨げないこと,上記占用の許可がされなければ上記採石場において採石業を行うことが相当に困難になることがうかがわれること,その他上記申請をめぐる判示の事情の下では,県知事から権限の委任を受けた県土木事務所長がした上記占用の許可をしない旨の処分は,裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となる。

公法上の法律関係確認訴訟の訴えの利益

最高裁平成1・7・4

土地の所有者から河川管理者に対し、当該土地につき河川法上の処分をしてはならない義務があることの確認ないし河川法上の処分権限がないことの確認、及び、当該土地が同法にいう河川区域でないことの確認を求める訴えは、いずれも河川法75条に基づく監督処分その他の不利益処分をまってこれに関する訴訟等において事後的に争ったのでは回復しがたい重大な損害を被るおそれがある等特段の事情がないときは、その利益を欠き不適法である。

道路と公営造物責任(国家賠償法2条1項)

最高裁平成7・7・7(国道43号線訴訟)

一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により被害を受けている場合において、右道路の周辺住民が現に受け、将来も受ける蓋然性の高い被害の内容が、睡眠妨害、会話、電話による通話、家族の団らん、テレビ・ラジオの聴取等に対する妨害及びこれらの悪循環による精神的苦痛等のいわゆる生活妨害にとどまるのに対し、右道路が地域間交通や産業経済活動に対してその内容及び量においてかけがえのない多大な便益を提供しているなど判示の事情の存するときは、右道路の周辺住民による自動車騒音等の一定の値を超える侵入の差止請求を認容すべき違法性があるとはいえない

最高裁同

一 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音にほぼ一日中暴露されている場合、右道路の周辺地域を交通量によって3地域に道路構造によって4区画に分類した上、右道路端からの遠近や右道路への見通しの程度に基づき、周辺住民を合計19のグループに分け、鑑定の結果を基本にして、右グループごとに上限と下限の等価騒音レベルによる数値を抽出し、その幅のある数値をもって同一のグループに属する各住民が日常暴露された原則的な屋外騒音レベルと推認することに違法はない。
二 一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により睡眠妨害、会話、電話による通話、家族の団らん、テレビ・ラジオの聴取等に対する妨害及びこれらの悪循環による精神的苦痛等の被害を受けている場合において、右道路は産業物資流通のための地域間交通に相当の寄与をしているが、右道路が地域住民の日常生活の維持存続に不可欠とまではいうことのできないいわゆる幹線道路であって、周辺住民が右道路の存在によってある程度の利益を受けているとしても、その利益とこれによって被る被害との間に、後者の増大に必然的に前者の増大が伴うというような彼此相補の関係はないなど判示の事情の存するときは、右被害は社会生活上受忍すべき限度を超え、右道路の設置又は管理には瑕疵があるというべきである。
三 一般国道等の道路の供用に伴う自動車騒音によるいわゆる生活妨害を被害の中心とし、多数の被害者から全員に共通する限度において各自の被害につき一律の額の慰謝料が請求された場合について、受忍限度を超える被害を受けた者と

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