第1章 特定商取引法(特商法)とは
特定商取引法(正式名称:特定商取引に関する法律)とは、消費者と事業者との間の契約のうち、訪問販売等、特に消費者が悪徳商法等の被害に遭いやすい取引類型を対象に、一定の規制を定めることで、消費者を保護することなどを目的とした法律です。
対象となる取引類型は、以下の7つです。
訪問販売
通信販売
電話勧誘販売
連鎖販売取引
特定継続的役務提供
業務提供誘引販売取引
訪問購入
これらに当たる取引に関し、広告表示規制や書面の交付義務などの行政規制、クーリング・オフ・不実告知等があった際の取消権など民事上のルールを定めることで、消費者保護を図っています。
第2章 2021年公布の改正特定商取引法とは?
2021年6月9日、「消費者被害の防⽌及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の⼀部を改正する法律」(令和3年法律第72号)が成立し、同月16日に公布されました。今回の法改正は、消費者が安心して商品やサービスの取引ができるよう、消費者被害の防止や取引の公正を図ることを目的としたものです。
この法律により、特定商取引法のほか、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(改正により「預託等取引に関する法律」に改称)、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律などが改正されることとなりました。
公布日・施行日
2021年特定商取引法改正の根拠となる法令は、「消費者被害の防⽌及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の⼀部を改正する法律」(令和3年法律第72号)です。
施行日は、改正点によって異なるため、注意する必要があります。