譲渡担保権者と第三者異議の訴え
第三者異議事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/昭和57年(オ)第1322号
【判決日付】 昭和58年2月24日
【判示事項】 譲渡担保権者と第三者異議の訴え
【判決要旨】 譲渡担保権者は、特段の事情がない限り、目的物件に対し民事執行法122条の規定により譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行につき、第三者異議の訴えによつてその排除を求めることができる。
【参照条文】 民法369
民事執行法122
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事138号229頁
判例タイムズ497号105頁
金融・商事判例672号42頁
判例時報1078号76頁
金融法務事情1037号42頁
民法
(抵当権の内容)
第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。
民事執行法
(第三者異議の訴え)
第三十八条 強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。
2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを提起することができる。
3 第一項の訴えは、執行裁判所が管轄する。
4 前二条の規定は、第一項の訴えに係る執行停止の裁判について準用する。
(動産執行の開始等)
第百二十二条 動産(登記することができない土地の定着物、土地から分離する前の天然果実で一月以内に収穫することが確実であるもの及び裏書の禁止されている有価証券以外の有価証券を含む。以下この節、次章及び第四章において同じ。)に対する強制執行(以下「動産執行」という。)は、執行官の目的物に対する差押えにより開始する。
2 動産執行においては、執行官は、差押債権者のためにその債権及び執行費用の弁済を受領することができる。