インターネット上の電子掲示板・人違い事件
損害賠償請求事件
【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成29年(ワ)第1347号
【判決日付】 平成30年4月26日
【判示事項】 原告が被告に対し,被告が,インターネット上の電子掲示板に設けられたスレッドに,各投稿をしたことにより,原告のプライバシー権が侵害されたとして,損害賠償を求めた事案。
裁判所は,原告は,経由プロバイダから本件各投稿に係る発信者情報として開示を受けた契約者である被告に対し,原告代理人を通じて,本件各投稿により被った損害の賠償を求める旨の通知を送付したところ,被告は,上記通知の内容に心当たりがなく,直ちに警察署に相談に行き,パソコンを原告代理人に預けて原告の自由な検証に委ねるなど,真摯に対応しており,このような被告の対応は,本件各投稿を行っていない者の対応として合理的なもので,被告及びその家族が本件各投稿をしたものとは認められないとし,被告の不法行為は成立しないとして請求を棄却した事例
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告は,原告に対し,181万2800円及びこれに対する平成26年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
本件は,原告が被告に対し,被告が,インターネット上の電子掲示板に設けられたスレッドに,別紙投稿記事目録記載の各投稿をしたことにより,原告のプライバシー権が侵害されたと主張して,不法行為に基づく損害賠償として,慰謝料100万円,調査費用64万8000円及び弁護士費用16万4800円の合計181万2800円及びこれに対する不法行為日(上記各投稿がされた日)である平成26年8月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。