公立大学学生の退学処分は、いわゆる行政処分か
放学処分取消請求事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷判決/昭和28年(オ)第525号
【判決日付】 昭和29年7月30日
【判示事項】 公立大学学生の退学処分は、いわゆる行政処分か
公立大学学生の懲戒処分と裁判権
【判決要旨】 公立大学の学長がその学生に退学を命ずる行為は、行政事件訴訟特例法第1条にいう行政処分に当る。
公立大学の学生の行為に対し懲戒処分を発動するかどうか、懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶかを決定することは、この点の判断が社会観念上著しく妥当を欠くものと認められる場合を除き原則として、懲戒権者としての学長の裁量に任されているものと解するのが相当であるが、懲戒処分が全く事実の基礎を欠くものであるかどうかの点は、裁判所の審判権に服する。
【参照条文】 行政事件訴訟特例法1
学校教育法施行規則13
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集8巻7号1463頁
行政事件訴訟法
(原告適格)
第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
2 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。