第4章 改正の目的
今回の法改正の目的について、特許庁の立法担当者は次のように述べています。
優良な顧客体験が競争力の源泉として重要性を高める中、デジタル技術を活用したデザイン等の保護や、ブランド構築のため、意匠制度を強化する。
引用元│特許庁「令和元年度特許法等改正説明会テキスト」(URL)
すなわち、今回、意匠法の改正にいたる背景には、次のような事項がありました。
改正に至る背景
店舗の内装デザインの重要性
昨今、あらゆる分野においてオンライン化が進む中で、実際に店舗に足を運んだ顧客に対しては、オンラインでは体験できない特別の体験を提供するために、店舗の内装デザインなどを工夫することが重要となってきました。
デジタル技術を活用した画像保護の必要性
デジタル技術を活用した画像などのデザインを保護する必要性も高まっていました
統一的なコンセプトのもとで、複数のデザインが発生
企業のブランド戦略の観点から、デザインのコンセプトを統一し、似たようなデザインでもって複数のバリエーションの商品を生み出す事例も増えてきました。
そこで、意匠法の改正を見直し、従来保護されていなかったデザインを保護して、意匠制度が強化されるに至りました。