妻子ある教員である原告が生徒の母親と不倫したことを理由とする懲戒解雇~学校法人白頭学院事件
テーマ:解雇、退職、退職金
大阪地方裁判所判決平成9年8月29日
学校法人白頭学院事件
雇用契約確認等請求事件
【判示事項】 1 原告(学校法人である被告の体育教員であった)がなした退職の意思表示は、原告が生徒の母親Aと情交関係を結んだことを知ったAの前夫の強迫によるものであるから、原告による当該意思表示の取消しは有効であるとして、労働契約の合意解約が無効とされた例
2 原告が提出した退職願について、教職員の任免権者である理事長による承諾の意思表示が原告に到達する前であれば、原告は当該退職の意思表示を有効に撤回することができるとして、労働契約の合意解約が無効とされた例
3 妻子ある原告が自ら指導する生徒の母親と情交関係を結んだ行為は懲戒事由に該当するとして、懲戒解雇が有効とされた例
4 原告が懲戒解雇されるまでの期間における未払賃金の支払いが認められた例
5 被告は右期間中に原告が得た中間収入を賃金から控除することができるが、右期間が労働基準法26条の「使用者の責めに帰すべき事由」によって就労を拒否された場合に当たることから、平均賃金の6割に達する部分については控除対象とすることはできないとされた例
【掲載誌】 労働判例725号40頁