法学教室 2024年5月号(No.524)
有斐閣
2024年04月26日 発売
定価 1,650円(本体 1,500円)
コメント
本号で、秀逸と思う記事は、下記の下線をつけたものである。
風薫る5月。満開の桜のそのあとに青々とひろがる新緑は,生命の力強さと未来への希望を感じます。みなさま,新生活には少し慣れてきたでしょうか。
さて,今月号からは基本7法の特集を順次お届けします! 今年度の共通テーマは「基本原理・重要概念の再検討」。トップバッターは憲法です。
個人の生活からは最も遠いようで,しかし現在進行形の身近な問題を多く抱える憲法。そのうち,いま最も学ぶべき5テーマを解説していただきました。「この国のかたち」にじっくりと向き合い,考えを深めてもらえるような論稿が揃っています。ぜひ,特集扉ページからお読みください。
今月号にはあわせて判例クローズアップと時の問題を収録。昨年10月に出された性同一性障害特例法違憲決定と,ストライキをめぐる問題を扱います。折しも5月1日は労働者の祭典といわれるメーデー,3日は憲法記念日です。祝日の隙間に,関連するテーマへの知見を深めてもらえると嬉しいです。
◆特集 憲法の基本原理・重要概念を学ぶ
Ⅰ 公共の福祉――その理論的重要性…愛敬浩二……6
Ⅱ 平等…榎 透……12
Ⅲ 国家と宗教…西山千絵……18
Ⅳ 民主主義…二本柳高信……25
Ⅴ 「人権+平和」をどう実現するか…青井未帆……31
【巻頭言】
新二重基準論…小島慎司……1
【法学のアントレ】〔第86回〕
留学の四季…大河内美香……2
【判例クローズアップ】
法的性別と性自認――特例法手術要件の合憲性(最大決令和5・10・25)…齊藤笑美子……38
【時の問題】
現代的事例から学ぶストライキ…藤木貴史……44
◆講座
憲法の基本原理から見る統治〔第2回〕
「憲法」と「立憲主義」(1)…高田 篤……50
事例で学ぶ行政法ゼミナール〔第14回〕
行政不服審査――大阪府国民健康保険審査決定事件…岡田正則……57
点と点をつなぐ不法行為判例〔第8回〕
不法行為における相当因果関係…山本周平……63
会社法の時計〔第9回〕
取締役の善管注意義務――経営判断原則…松井秀征……70
近時の判例で学ぶ刑法〔第14回〕
傷害の意義――最決平成24・7・24刑集66巻8号709頁…天田 悠……76
刑事訴訟法のフレームワークを考える〔第13回〕
証拠開示制度…宇藤 崇……83
【演習】
憲法…遠藤美奈……90
行政法…朝田とも子……92
民法…荻野奈緒……94
商法…杉田貴洋……96
民事訴訟法…川嶋隆憲……98
刑法…安達光治……100
刑事訴訟法…濵田 毅……102
レポート(社会保障法)…橋爪幸代……104
【判例セレクトMonthly】
〔憲法〕旅券発給拒否処分と海外渡航の自由(東京地判令和6・1・25)…只野雅人……107
〔行政法〕行政上の強制徴収と訴訟による請求との関係(東京地判令和4・6・15)…原田大樹……108
〔商法〕弁護士の資格を有する取締役が負う善管注意義務の程度(東京高判令和4・9・15)…中東正文……109
〔刑法〕時速約16kmで一方通行道路を後退で逆走した行為に危険運転致死罪の成立が認められた事例(神戸地判令和5・10・27)…東條明徳……110
〔刑訴法〕刑訴法435条6号における明白性の判断方法(名張毒ぶどう酒第10次再審請求事件)(最決令和6・1・29)…亀井源太郎……111
Book Information
小西康之『働く世界のしくみとルール――労働法入門』……113
松尾剛行『法学部生のためのキャリアエデュケーション』……114
法律書ランキング
全国大学生協/丸善ジュンク堂書店(2024年1月~3月)……119