育児休業者の処遇
事業主は、育児休業中の労働者に賃金を支払う必要はありません。
ただし、雇用保険法により、育児休業者のうち一定の要件をみたす者について、休業前の賃金の62%を支給する育児休業給付制度が設けられています(雇用保険法61条の4、附則12条)。
事業主は、休業前の地位(原職)に復帰させる義務を負いません。
しかし、事業主は、労働者が育児休業申出をし、または、育児休業をしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません(育児休業法10条)。したがって、育児休業をしたことを理由として、配転などの不利益な取扱いをする場合、違法・無効です。不法行為を構成します。
労働者の配置に関する配慮
事業主は、労働者の配置の変更で就業場所の変更を伴うもの(転勤命令)をしようとする場合において、就業場所の変更により就業しつつ子の養育・家族の介護を行うことが困難となる労働者がいる場合は、労働者の子の養育・家族の介護の状況に配慮しなければなりません(育児休業法26条)。
その他の育成支援措置
1 所定労働時間の短縮措置等
2 小学校就学前の子を養育する労働者等に関する育児休暇・育児休業
3 時間外労働の制限
4 深夜業の制限