司法書士が順次売買について登記手続の連件申請を行う場合において、前件の司法書士が、委任関係のない後件の登記権利者に対しても、書類の真否について調査確認すべき義務を負うとした事例
不当利得返還等請求控訴事件
【事件番号】 東京高等裁判所判決/平成30年(ネ)第4446号
【判決日付】 令和元年5月30日
【判示事項】 司法書士が順次売買について登記手続の連件申請を行う場合において、前件の司法書士が、委任関係のない後件の登記権利者に対しても、書類の真否について調査確認すべき義務を負うとした事例
【参照条文】 民法709
不登規則67
【掲載誌】 判例時報2440号19頁
民法
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
司法書士法
(司法書士の使命)
第一条 司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。
不動産登記法
(登記識別情報の提供)
第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。
不動産登記規則
(登記識別情報の提供の省略)
第六十七条 同一の不動産について二以上の権利に関する登記の申請がされた場合(当該二以上の権利に関する登記の前後を明らかにして同時に申請がされた場合に限る。)において、前の登記によって登記名義人となる者が、後の登記の登記義務者となるときは、当該後の登記の申請情報と併せて提供すべき登記識別情報は、当該後の登記の申請情報と併せて提供されたものとみなす。