成田新法事件
工作物等使用禁止命令取消等請求事件
【事件番号】 最高裁判所大法廷判決/昭和61年(行ツ)第11号
【判決日付】 平成4年7月1日
【判示事項】 一 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(以下、「成田新法」という。)3条1項1号、2号、同条3項と憲法21条1項、22条1項、29条1、2項、31条、35条
二 運輸大臣が、新東京国際空港の規制区域内に所在する通称「横堀要塞」につき成田新法3条1項1号又は2号の用に供することを禁止した処分が、違憲無効とはいえないとされた事例
【判決要旨】 一 成田新法3条1項1号は憲法21条1項、同22条1項に、成田新法3条1項1、2号は憲法29条1、2項31条に、成田新法3条1、3項は憲法35条にいずれも違反しない。
二 運輸大臣が、新東京国際空港の規制区域内に所在する通称「横堀要塞」につき成田新法3条1項1号又は2号の用に供することを禁止した処分は、その根拠である成田新法3条1項1、2号、3項がいずれも憲法に違反していないので、違憲無効とはいえない。
(1につき意見がある)
【参照条文】 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和59年法律第87号による改正前のもの)3-1
新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和59年法律第87号による改正前のもの)3-3
憲法21-1
憲法22-1
憲法29
憲法29-2
憲法31
憲法35
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集46巻5号437頁
日本国憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
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② 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。