出入国管理特別法に関する裁判例を網羅しています。
目次
第1章 1 再入国不許可処分を受けた者の本邦からの出国と右不許可処分の取消しを求める訴えの利益
2 いわゆる協定永住許可を受けていた者に対してされた指紋押なつ拒否を理由とする再入国不許可処分が違法とはいえないとされた事例
第2章 1 在日韓国人船員が、日本船の乗員として本邦を出国後、転船帰国したことが不法入国であって、永住許可の要件を欠くとされた事例
2 転船帰国の取扱いにおいて、日本人船員と在日韓国人船員に差異があることの合理的理由の存否(積極)
3 在日韓国人船員の転船帰国に関し、一定の場合適法な入国と扱う行政先例法の存否(消極)
4 在日韓国人船員の転船帰国を認める例外事由(出国時の乗船の難船・だ捕等不可抗力により他の船で入国する場合)に当たらないとされた事例
第3章 1、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定に基づく永住許可を受けた者が、再入国許可を受けずに本邦から任意に出国し、あるいは本邦から退去強制された場合には、当該協定永住許可は当然に失効する
2、韓国からの集団密入国者を運ぶため不法出入国した前科9犯の犯歴を持つ元協定永住許可者に対し、法務大臣が特別在留許可を与えなかつたことにつき、裁量権の逸脱・濫用がないとされた事例
第4章 在日韓国人に対する国外退去強制処分が適法とされた事例
第5章 韓国人に関する出入国管理特別法にいう「引き続き日本国に居住している者」の意義
第6章 1 日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定(以下「地位協定」という。)1条1(a)に定める「1945年8月15日以前から申請の時まで引き続き日本国に居住している者」の意義
2 地位協定による永住許可後、許可前に2回にわたり不法出入国していた事実が判明し許可要件を具備していなかつたとしてした右許可の取消処分につき、不法出入国の事実が明らかでなく、仮にその事実が存したとしても、それは本件取消処分から約20年も前のことであり、出国の期間が比較的短く、また、被処分者の生活基盤が日本にあるなど諸般の事情に照らし右許可を取り消すことは、被処分者に及ぼす重大な不利益に比べてこれに優る公益上の必要がないとして右取消処分が取り消された事例
第7章 懲役5年以上10年以下に処せられた少年に対する出入国管理特別法6条1項6号による退去強制令書発付処分に違法はないとされた事例