補助金適正化法の正式名称は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律である。
補助金適正化法に関する最高裁・高裁の裁判例を網羅しています。
目次
第1部 補助金適正化法6条(補助金等の交付の決定)
第1章 農業委員会等に関する法律(昭和51年改正前)2条1項に基づき農業委員会の委員及び職員に要する経費について国が負担すべき割合並びに国に対する具体的負担金請求権の発生要件
第2章 保育所の設置費用に対する国の負担金の交付は国の義務であり、その交付額は市町村の現実の支出額を基準とするが、右負担金についての具体的請求権は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第6条所定の交付決定がなければ発生しない
第2部 国が市に対し、国民健康保険に係る調整交付金の交付決定を一部取り消し、加算金の支払を命じたことにつき、市長に過失がなかったとされた事例
第3部 国の破産財団に対する補助金等返還請求権は、破産者の破産宣告前の原因に基づいて生じた財団債権である
第1章 補助金等の交付を受けて行った補助事業により取得した園舎について承認を受けないで交付の目的に反して担保に供するなどしてはならない等の条件の下に国から補助金等の交付を受けた者が、その後右の条件に違反したため国によって補助金等の交付決定が取り消されうる状況に至った後破産宣告を受け、更にその直後、国によって交付決定が取り消された上、補助金等の返還命令を受けた場合において、国の破産財団に対する右補助金等返還請求権は、破産者の破産宣告前の原因に基づいて生じた財団債権であるとされた事例
第4部 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反被告事件
第1章 刑罰法令不遡及の原則、罪刑法定主義、不告不理の原則に違反しないとされた事例
第2章 県農林水産部林務課造林係員が造林事業補助金の交付につき単に補助的な事務を執っていたにすぎずその交付決定処分をするについてこれを左右する地位になかった場合には、同人は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条2項にいう交付する者にあたらない。
第3章 1 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の罪(補助金等不正受交付罪)の成立範囲及びその判断方法
2 保管または処分した国産牛肉の量に応じて交付される補助金につき、対象外の牛肉等を上乗せして補助金の交付を受けた場合、補助金等不正受交付罪は、交付を受けた補助金全額ではなく、上乗せした牛肉に係る受交付額について成立するとされた事例
第4章 保管または処分した国産牛肉の量に応じて交付される補助金につき、対象外の牛肉等を上乗せして補助金の交付を受けた場合、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の罪(補助金等不正受交付罪)は、交付を受けた補助金全額ではなく、上乗せした牛肉に係る受交付額について成立するとされた事例
第5章 牛肉在庫緊急保管対策事業もしくは市場隔離牛肉緊急処分事業の対象となる国産牛肉以外の牛肉等に係る補助金について、交付を受けた補助金全額を対象として補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の成立を認めた一審判決及び原判決は、法令の解釈適用を誤っているが、その誤りを是正し検討しても、原判決の宣告刑は不当であるとはいえず、刑訴法411条を適用すべきでないとして、上告を棄却した事例
第6章 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律32条1項にいう「代理人」に当たるとされた事例
第7章 住宅騒音防止工事補助金の不正受交付事件につき、弁護人の「公共用飛行場周辺における航空機騒音による傷害の防止等に関する法律8条の2に規定する「交付金」は、その性質上、住宅に関し所有権等の権利を有する者が航空機の騒音障害により被る損失の補償金であるから、補助金等に係る予算の執行の適性化に関する法律2条所定の「補助金等」ないし「間接補助金等」には該当せず、また、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律8条の2は、当該住宅に「現に人の居住すること」を要件としていないから、現に人の居住していない本件住宅につき交付金を受け取ったとしても、その交付の要件に該当しない。」などとの主張をいずれも排斥した事例