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新着情報
2020年01月04日
山口 周『外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)』

まず必要なのは……「思考の技術」ではなく、「行動の技術」だった!
 論理思考やフレームワークを学んでも、仕事がうまくいかないのはなぜ?
 劇的に成果が上がる、本当に使える「知的生産の技術」=「行動の技術」を詳しく解説。「ボロボロになるまで本書を活用しきってほしい」(筆者談)
【感想】
評判の高い本である。

著者の主張を、私自身の弁護士としての実務経験に照らし合わせながら読んだ。
著者の主張が正しいかを、常にwhy?と思いながら読むと、著者の実践するスキームを実行できるだろう。
著者の功績は、ある程度普遍的なスキームを、目に見える形で言語化したことにある。

ただし、著者の主張には一部矛盾がある。
例えば、創造性が必要としながら、イノベーターは新しい組み合わせを発見しただけという箇所。
インプットを見直しても益が少ないとしながら、アウトプットができないのはインプットの質・量が不足しているとする箇所。
著者は、直観が正しいと主張する。しかし、直観で正しい結論に達するためには、経験と読書によるストック(蓄積)が必要である。
著者は、演繹法が正しく帰納法は正しくないと主張する。しかし、学習による帰納法は、論理的であれば、正しい結論に達する。帰納法によれば、具体例を伴ってビビットに描写できる。逆に、直観による演繹法が、誤った前提で出発すれば、正しいとは限らない。
実務経験の少ない若手は、経験を増やすほか、読書によって補うしかない。
著者が自説の裏付けとして古今の名著を引用しているのは、ストックは必要ないとの著者の主張と矛盾する。
結局、実践的な方法というのは、全てにおいて正しいとは限らない。

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